ランニングマン
「フラッシュバックする記憶は自分のものではないらしい。」
どっかの哲学者だかなんだかが以前テレビで言っていた。
へてしてどうでもいいことでも頭に残る場合ってのがあるもんで。
パーカーからずれる、ミドリに染め上げた髪の毛を気にしながら日課になりつつある
夜のランニングをしながら、そんな事を考えていた。
そのすぐ後にそんな事を考えている珍しい自分に気がつく。
ランニングしている時は、非常にアグレッシブな感情に陥りやすい。
例えば気に入らない上司にパンチ!みたいなレベルではあるが。
時折視界に入り込んだ汗を通して見える通行人は、
非常に不快さをかもし出す場合も多々あり。
俺は目的地についた。
そこは古びた寺
(古びていない寺ほどうさんくさいものはない。)
そこで物陰に隠れて じっと息をこらす 俺は待っている。
ただじっと。その時がくるのを。
この寺は丑三つ時になると、実際にわら人形を打ちに人がくるっていう噂がある。
俺はそいつに用があってただひたすら息をこらす。
朝の匂いが漂いつつある4時頃
鶏が鳴く前に俺は立ち去る。
空気は絶望的で、夜が恋しくてしょうがなくなる。