"dodone"digital release&MV公開
皆さん、こんにちわ。覚えていますか?知っていますか?
京都を中心に活動しているキツネの嫁入りというバンドです。ただただ想う音楽作って15周年。少しでも多くの人に聞いてもらい、知ってもらうために、シングル連続リリースとアルバムリリース、各映像作品を作りました。オルタナティブなのかプログレなのか歌謡曲なのか、どうか一度聞いてみてご自身の言葉で現してみてください。
それが、キツネの嫁入りの音楽です。
プロジェクト第一弾に“dodone(ドゥダン)”という曲を作りました。ぜひ聞いてみてください。
"dodone" Sound / Lyrics
ドラムが伊藤拓史にメンバーチェンジ。新たにSax北村信二が参加したことで、よりトリッキーで、タイトなリズムとジャジーなテイスト増し増し。第一弾リリースの「dodone」は、悲鳴のようなバイオリンの旋律から、コントラバスの突き放すような重たいフレーズで幕を明ける。想定の斜め上のリズムパターンで入るドラムと、コロナ禍という濁流の中で諦めに似た感情を抱きながらも、流されず、ただ立つ様を歌う歌が物語を紡ぎ出す。ピアノ・グロッケンが、緊張感を持ったメロディを一定のリズムで刻み、サックスが人間味あふれるテイストで咆哮する。約4分という時間の中で、変拍子とポリリズムが基調の上に、無機質と有機物が織り混ざって繰り広げられる旋律とリズムパターンは、美しさと絶望さを兼ね備えながらも歪んで淡々と続き、2021年における「今」を表現している。
Lyrics
いつだってそう、繰り返されるのは、そう
色めき立って感情の雨が降るよ
いつもの日常は追い立てられて
気がつけば、「それ以外」に分類されてるよ
いつだってそう、繰り返されるのは、そう
しわ寄せられるのは、いつだってそうだ
その場しのぎで、しのぎもけずらない?
行き先は日替わりだ たどり着かないゴールだ
文字数多いだけの目眩しの稼ぎ頭
権力ある声が、かき消してしまうよ
きっかけは誰だ 便乗したのは誰だ
にやついているのは、いったい誰だ
同じこの場所で立ち続けてる
誰かがつき飛ばすその逆の方へ
かき消されていく当たり前の言葉
ぶつかりあってく、ルールとモラル
いつだってそう、繰り返されるのは、そう
しわ寄せられるのはいつだってそうだけど
その場しのぎでけずられやしない
感情は置いてきな、バランスがモノを言う
Violin:イガキアキコ(たゆたう・colloid)
"dodone" Music Video
1作目の映像作品、Music Videoは、2nd ALBUM収録の「俯瞰せよ、月曜日」でもお世話になった麻田弦氏。不定期で、コミュニケーションを取る間柄でしたが、最近の作品や会話を経て、やはり今作品は、弦さんに頼みたいという想いに駆られオファー。初稿が上がってきた瞬間、思わずニヤニヤしてしまう仕上がり。人生で、稀に何度か感じる事ができる「これこれ!これ待っててん!」という感覚。というわけで、正直こちらからのオーダーはほぼない形でFix。無機質なのに手描きタッチの有機質的な要素もあり、上からと横からとで見た際の印象が変わるMV内の造形物の俯瞰した感覚も歌詞で表現したかった内容に正に合致。
”私の歌いたいことや表現したい音楽に欠落してるものを補って増幅してくれるもの”
そういう立ち位置で映像作品を作りたいと思った本作品。隣にいたら、ハグしてチューしたいぐらいに素晴らしい作品となりました。
Director : Gen Asada
Rec/ Mix :Keishiro Iwatani
Vocal and Acoustic Guitar : Madonashi
Piano : Hisayo
Contrabass : Kenichi Saruta
Sax : Shinji Kitamura
Drums : Takuji Itou
Violin : Akiko Igaki(たゆたう,colloid)
The songs written by Madonashi
Recorded, mixed and mastered by 岩谷啓士郎 (Safe and Sound)
Recorded at STUDIO MORG
Software: Cinema 4D
Edited In: Adobe After Effects
Digital distribution:FRIENDSHIP.
映像制作:麻田弦(GEN ASADA)

映像ディレクター。クラブVJを経て、
その後、広告映像に携わるかたわら、大学・
麻田弦氏と一問一答
Q:映像の見どころを教えてください。
今回一番こだわったのは映像のルックです。CGアニメーションなのですが、鉛筆で影をつけたような手法でアナログな質感をもたせました。テストを何度も重ねて最終的な質感を決定しています。
またキャラクターなどを出さず、主に抽象的な形状を組み合わせた映像にしました。楽曲の歌詞がいろいろな風に解釈できる歌詞で、選ばれている言葉も面白かったので、映像のほうはイメージを限定しすぎず、でも解釈の仕方によっては歌詞とシンクロする部分もあるような形を目指しました。
Q:どのように制作を進められたのですか?
実写の場合は撮影時間が限られているので、構成やコンセプトをしっかり決めて撮影に臨むのですが、CGの場合トライ&エラーが出来ます。もちろん〆切という時間的制約はあるのですが、今回は色々試せるように制作期間を長めに設定させていただきました。
最初は、楽曲をくり返し繰り返し聴きながら沸いてくるイメージをノートに描いていって、それが溜まったところで、曲の頭から順番に作っていきました。連歌を詠んでいくようなイメージでしょうか。映像は構成が重要なので作り始めるときには絵コンテなどで全体の青写真をしっかり決めてから臨むのが通例です。そういう意味で今回はかなりイレギュラーな作り方でした。このやり方だと時間はかかりますが、自分が最初に考えていなかったイメージが沸いてきたりして、最終的には当初想定していたより豊かな映像になったのではないかと思っています。でも、このやり方が出来たのも、最初にキツネの嫁入りのマドナシさんが「好きに作ってください」とこちらを信頼して言ってくださったからであって、本来のMVだとクライアントに「こういう映像になります」というプレゼンがまずあってOKをいただいてから作り始めるものだし、場合によっては修正も入ります。そういう意味では自由に作らせていただいて楽しかったし、とても恵まれた制作環境でした。
Q:具体的に使用したソフトなど教えていただけますか?
3DソフトのCinema4Dですべて作り、AfterEffectsで細かい調整を行いました。
Cinema4Dはモーショングラフィックスに強いソフトなので、今回のような抽象的な形状のアニメーションには向いています。あと、堅牢性があって滅多なことではソフトが落ちないので、安心して制作に向かえました。
Q:最後にひとこといただけますか?
いま自分が映像を作る時に意識しているのは普遍性です。できれば時間が経って見ても古びない映像が作りたいと思っています。同時に遊び心も大事にしたいです。とにかく映像を見てくれた人が喜んでくれたり、何か感じとってくれたりしてもらえると嬉しいです。