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コーヒー(4)

今日のコーヒーは苦めだ。

ブラックしか飲んでいなかった
そんな日々が懐かしい。

弱くなったのは頭だけではないらしい
ニュースがCMに変わる。
笑顔で踊るアイドルは、お笑いもこなす三人組だ。
レギュラー番組も何本かもっている彼らは、人気者で、、

名前が出てこない。覚える脳みそは常に正直だ。
捨て去るものに関しては全く脳みそに残さない。
そうやって、忘れるべくものを忘れて明日を迎えるのだろう。

この破片が明日の話をしてくれる限り。
コーヒーがこぼれた記憶。

それはもう記憶の彼方だ。
床を転がるコーヒー。茶色い液体は、コーヒー以外のものに様変わりする。
それを眺めるこの目は
破片を写さない。
赤ん坊とネコの鳴き声の違いがわからなくなった耳で気がついたのは、
いつのまにか鳴り止んでしまった電話の着信音。

アレは必要だったのか。

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